Menu
動物は様々な原因で消化器症状(下痢、嘔吐、食欲不振)を引き起こします。ストレスや食事など日常的なものから命に関わる重篤な疾患まで、その原因は多岐にわたります。
“消化器症状”とはいえ、必ずしも消化器(胃腸)自体に原因があるとは限らず、様々な側面から検査が必要です。
慢性炎症性腸症(Chronic inflammatory enteropathy: CIE)は3週間以上継続する慢性、再発性の消化器疾患群の総称です。 食事、生活環境、腸内細菌叢、過剰な免疫応答といった多因子が関与している疾患群であり、消化器症状を引き起こす様々な疾患を除外したうえで診断されます。
健康なドナー犬から採取した脂肪組織から幹細胞を抽出し、体外で増やしてから再び体内に戻す治療法です。 体内に移植された幹細胞は損傷した部分の修復や炎症の抑制を助ける働きがあり、様々な疾患の治療に応用されています。
1
健常犬からの脂肪採取
健常犬から皮下脂肪を採取します。採取した細胞は酵素処理を行い、培養の準備をします。
2
採取した細胞の培養
専用の培養器で投与可能になるまで継代培養を行います。
3
患者への投与
投与は静脈点滴で行います。通常、30分から1時間程度で終了するため、外来で投与が可能です。
近年、ヒト医療において腸内細菌叢と各疾患との関連性が指摘されています。 炎症性腸疾患(IBD)や大腸がんなどの消化器疾患のみならず、肥満、心血管疾患、精神疾患、自己免疫疾患など様々な病気に関わっていると考えれられています。
ドナーからの糞便採取
健康なドナーから糞便を採取します。新鮮な便のほか、緊急的な移植に対応できるよう凍結便も保存してあります。
移植液の準備
滅菌生理食塩水で糞便を溶解・ろ過します。移植液には健常犬由来の腸内細菌が多数含まれています。
移植の実施
移植液を患者に投与します。原則として直腸カテーテルでの投与になるため鎮静や麻酔は不要です。